【北斗】函館水産高校(亀山喜明校長)専攻科機関科2年の紺野海次さん(20)が、船舶の職員として働くために必要な国家資格、海技士(機関)の中で最上級に当たる1級の筆記試験に合格した。同校では2013年度以来の合格者で、紺野さんは「3級、2級と比べ苦労したが、その分達成感がある。エンジントラブルが起きても冷静に対処できる機関士を目指し、さらに頑張りたい」と決意を新たにしている。
1級試験は10月28、29の両日、札幌市で行われ、試験内容は機関知識や執務にかかわる4科目。1科目3時間を要する過酷な試験だったが、「勉強してきた成果を出せた。自分を信じ朗報を待った」と振り返る。今月5日、合格の知らせが届いた。
紺野さんは本科・機関工学科2年生のときの乗船実習で、船内で勤務していた機関士の仕事を見てあこがれを抱き、資格を取ろうと決意した。
3年生だった昨年2月には3級の筆記試験に合格。同年4月、専門的な技能、知識を学ぼうと専攻科機関科に進み、今年4月には2級の筆記試験に合格していた。
資格取得を決意して以来、授業と両立しながら1日当たり6、7時間の勉強を続けてきた紺野さん。特に1級は「参考書の内容よりも深く突っ込んだ問題が多く、インターネットなどで自分なりに調べ、覚えた」と話す。
この先、各級の免状を取得するには乗船履歴などの条件を満たすとともに口述試験での合格が必要。来年2月には3級の口述試験を控える。紺野さんは「習熟できていない分野もあるのでしっかり勉強し、まずは3級の免状を取りたい」と気持ちを引き締めた。(鈴木 潤)