市民創作「函館野外劇」の第31回公演「星の城、明日に輝け」(NPO法人市民創作「函館野外劇の会」主催)が13日、特別史跡五稜郭跡の一の橋前広場で開幕した。目の前で繰り広げられる迫真の演技で、約250人の観客を函館の歴史の世界へと誘った。
開演にあたり、中村由紀夫理事長は「野外劇は函館になくてはならないイベント。ご覧になるだけではなく、次は出演もしてもらいたい」とあいさつ。テーマ曲「星のまちHAKODATE」を手掛けた作家、新井満さんは、石川啄木の短歌を元に作曲した「ふるさとの山に向ひて」を函館バージョンで披露した。
初日は当日参加の市民を含む出演者、スタッフ合わせて約290人が支えた。ペリー提督の登場シーンでは、堀を挟んだ郭内に黒船が登場し、各国の国旗によるフラッグダンスで函館開港を華やかに表現した。土方歳三らによる迫力の殺陣やスクリーンへの映像投影も活用。最後は出演者総出でテーマ曲を合唱し、観客とともにペンライトを振って物語を完成させた。
初めて来場した函館青柳小3年の佐藤翠月さん(8)は「啄木が函館で死にたいといった話に感動しました。啄木役で出てみたい」と喜び、一緒に見た長尾美咲さん(8)は「最後の歌が楽しかった。戦いの場面も良かった」と笑顔だった。
8月11日までの毎週金、土曜日の午後7時半開演(同3、4日を除く)。当日、市民の出演も可能。問い合わせは同会(0138・56・8601)へ。(今井正一)