【江差】江差町がニシンをテーマに日本遺産に認定されたことを記念して、町が制作している「ニシンのぼり」の完成が間近に迫っている。すでに巨大な本体は出来上がり、5月にかもめ島でお披露目する予定。町内の小中学校で児童・生徒が手形とメッセージを書く作業が進んでいる。
「江差の五月は江戸にもない」と言われた江差の5月を彩ろうと制作が進む。照井誉之介町長が町内の小学生と交流した際に「かもめ島に『こいのぼり』ではなく、巨大な『ニシンのぼり』があればいい」とのアイデアを受け、日本遺産認定を機に実現した。
“巨大ニシン”の全長は約25メートル、背びれと腹びれを広げた体高は約5メートルで、黒青と銀色の魚体が光る。
6日には町内学校の1番手として江差北小(藤森 祐子校長、児童76人)が作業し、児童らはニシンの腹の部分にビニール手袋を着けて手形を押し、「サッカーをがんばりたい」などの将来の夢や、「いつまでも残って江差町」「ニシンがたくさん取れますように」など町への思いを書き込んだ。同校の滝口竜貴君(5年)と山田琉生君(同)は「でっかくて驚いた。みんなの思いが詰まっているのでいろんな人に見てほしい」と話していた。
町は11日午前10時から町文化会館で、一般町民らにもニシンのぼりに手形とメッセージを書き込んでもらう。町は「町民だけではなく、観光客や町外在住者にも参加してほしい」とし、「巨大ニシンが江差の空を無事に泳げるよう、みなさんの手形とメッセージで押し上げましょう」と参加を呼び掛けている。午後4時まで。(大谷健人)