原発事故による被ばくから子どもを守る福島県の母親たちの姿を追ったドキュメンタリー映画「小さき声のカノン」の上映会が12日、市芸術ホールリハーサル室で開かれる。午後1時半と午後6時半の2回あり、上映後には鎌仲ひとみ監督のミニトークショーもある。主催する「小さき声のカノンを観る函館の会」の野村保子代表は「原発が事故を起こすとはどういうことなのか、小さなお子さんがいるお母さんや若い世代にぜひ見てほしい」と話している。
「小さき声のカノン」は、福島第一原発事故から4年後の福島県で、子どもを被ばくから守ろうとする母親たちの小さな声を拾い集めた作品。チェルノブイリ原発事故を経験したベラルーシにも渡り、母子の姿や被ばく軽減のための取り組みなどを追っている。
函館では、原子力産業や原発建設をテーマにした鎌仲監督のドキュメンタリー映画「六ヶ所村ラプソディー」「ミツバチの羽音と地球の回転」が、すでに上映されている。今回、11日に札幌で上映イベントが開かれるのに合わせて、有志で「小さき声のカノンを観る函館の会」を組織し、準備を進めてきた。
市民団体「大間原発訴訟の会」の原告の一人でもある野村代表は「福島原発事故後、放射能への関心はどんどん薄れていっている。関心を持ち続けてほしい」と訴える一方、大間原発についても「実際に事故があった時の函館の被害を想像して見てもらいたい」と語る。
上映会は、昼の部が午後1時半から、夜の部が午後6時半から(開場は各15分前)。会場は、市芸術ホールリハーサル室。昼夜ともに上映後、鎌仲監督のミニトークショーを開催。託児もある(無料、予約制)。
入場料800円(高校生以下無料)。チケットは昼夜別の定員制で、市芸術ホール、カフェドリップドロップ(市地域交流まちづくりセンター内)、函館YWCAなどで扱っている。電話予約も可能。申し込み、問い合わせは野村さん(090・6696・5781)へ。(早坂直美)