函館市の2018年度予算編成が最終盤を迎え、工藤寿樹市長による査定が26日スタートした。市長は、子どもの貧困対策、加速する人手不足への対応、にぎわいと活気あるまちづくりを重点に据える考えを示した。厳しい財政状況の観点から、事業内容を精査して予算を厳しく絞り込む見通し。市長査定は31日まで。
査定に当たり、市長は「課題はたくさんある。基本的に中長期な視点を持った人づくり、まちづくりをどう進めていくかが柱になる」と基本方針を述べた。
その上で亀田地区複合施設の建設工事が始まるなど、ハード面はひと段落するとして「ソフト面でどれだけできるかだ」と述べ、子育て支援や子ども貧困対策の充実、全産業的な人手不足の解消に向けた施策、歩いて楽しい美しいまち「ガーデンシティ函館」の推進に継続して取り組むとした。
また、財政収支均衡、市立函館病院の赤字問題が課題になるとの認識を示した。財政に関しては「本年度の予算で収支不足が5億円。財政が好転している感じは受けておらず、本年度と同じような状態が続いているのではと思う」と述べた。
市長査定では、IT(情報技術)活用による生産性向上支援や魚種転換支援、若松地区旅客船埠頭(ふとう)整備、海外トップセールス(韓国、香港、台湾など)、金堀小学校区児童館を整備するための実施設計などが対象事業となる。
新年度予算案は2月13日に発表、同22日開会予定の第1回定例市議会に提出する。(山崎大和)