道南スルメイカ漁が解禁となり、4日早朝、函館市水産物地方卸売市場に566キロの初水揚げがあった。直ちに初競りが行われ、566キロのうち、いけすイカ200キロは1キロ当たり1万5000円の過去最高値で競り落とされた。解禁4日目の待ち焦がれた入荷で、休市を前に引き合いが強まった影響とみられる。
1、2日とも、漁序盤の漁場となる松前沖の風が強く出漁を見合わせていたが、3日は函館市漁協の函館小型いか釣漁業部会(佐藤豊次部会長、21隻所属)の9隻が出漁。うち7隻は荒天のため漁を断念して戻り、2隻が4日未明にイカを積んで函館漁港に帰港。船内のいけすからイカをすくって出荷した。イカは墨を吐きながら、勢い良く体を伸び縮みさせていた。漁業者の一人は「魚体が大きい」と話し、今後の漁模様に期待を込めた。
函館魚市場によると、重量は100~150グラム、胴長は15~17センチといい、サイズは例年より大きめ。いけすイカの初競りは昨年、一昨年とも1キロ当たり5000円だった。市場の担当者は「2隻でこれだけの水揚げがあれば、まずまずの出足ではないか」と話していた。
イカは早速、函館市内のスーパーや鮮魚店の店頭に並んだ。中島廉売内の紺地鮮魚では、いけすイカを1匹500円で販売。紺地慶一社長(54)は「初物なので、ぜひ味わってほしい」と笑顔を見せた。
漁は10月ごろ最盛期を迎え、来年1月末まで続く。(山崎大和)