函館海上保安部に今春配属された御厩卓(みまや・すぐる)さん(19)が、同海保所属の巡視艇ゆきぐもの航海士補として奮闘している。「覚えることも多いですが、緊張感を持ち、充実した日々を送っています」と、やりがいを感じる毎日を送っている。
3月19日付で函館海上保安部に配属。ゆきぐもの航海士補として海上で警備救難業務などを担うとともに、陸上ではデスクワークなども行う。
中学生のとき、海難救助を中心とした海上保安官の活躍を描くドラマ「海猿」がきっかけで、海上で人命を救う航海士に興味を持った。海上保安庁の業務を調べていくうちに、犯罪捜査など活動の幅広さを知り、テレビから流れるニュースなどで活躍が放送されるたび、将来の職とする思いを強くした。
御厩さんは江別市出身。江別高校卒業後、京都府舞鶴市にある海上保安学校に入校し、1年間航海士になるための基礎を学んだ。「さまざまな法律や船舶を運航する技術など、座学の機会が訓練より多かったのに驚いた」と笑顔を見せる。教官から、刻々と変わる現場で状況を判断し、臨機応変に動ける大切さを説かれたことが心に残る。
同海保に配属されたのは御厩さんら2人。「毎日の勉強や訓練は大変ですが、人の命を左右する責任ある立場だという自覚のもと、上司のアドバイスを受けながら日々の業務に臨んでいる」と声を張る。同海保の小林修次長は「頼もしく見守っている」と期待を寄せる。
函館には観光や高校時代の陸上部の合宿で訪れていたが、就職を機に来函。「日々の業務を通して人や社会の役に立ちたい」と目を輝かせている。(半澤孝平)