臥牛山1月8日・初の2000人台に
昨年、全国の交通事故死者は、前の年に比べ376人少ない2839人(警察庁)だった。政府が掲げた「2020年に2500人」の目標は達成できなかったが、3000人を割ったのは統計が残る1948(昭和23)年以降、初めてという▼交通事故が社会問題になって久しい。1970(昭和45)年には死者が1万6765人を数えた。その後、道路環境が徐々に整備され、車の安全性能も向上、さらに地道な指導取締が減少の流れを導いている▼実に50年かけての2000人台。昨年の交通事故死者を都道府県別でみると、東京が最も多く155人(前年比22人増)で、次が愛知、そして北海道は144人(同8人減)。減少は歓迎される動きだが、一方で新たな課題が浮かび上がっている▼高齢者が関係する事故の増加である。昨年も死者全体の56%を占める1596人が高齢者だった。確かに免許更新時の適性検査など70歳を超えた人に新たな対応がとられ、免許証の自主返納の動きも広がりつつある▼とはいえ、注意が求められるのは高齢者ばかりでない。運転していても、自転車に乗っていても、歩いていても、年齢を問わず喚起されているのは安全への意識…その警鐘は鳴り続いている。(A)