臥牛山5月18日・立ち直れ清原
覚醒剤や大麻取締法違反で有名人が捕まると、インターネット上でまたたく間に「薬物格子園」と銘打たれたリストが流れる。常習性の高さを引き合いに、実際に存在する甲子園常連校をもじって人名と組み合わせた名前を付け、「○年ぶり○回目」とやゆする▼そこに、元プロ野球選手の清原和博被告も名を連ねてしまった。2月に覚せい剤取締法違反で逮捕され、17日に東京地裁で初公判が開かれた。あまりにも悲しい球界の大スターの転落劇。裁判で自らの過ちを認めるに至った▼現役時代は豪快な打撃でファンを魅了する一方で、気の小さい性格を指摘する声もあった。何十億円もの大金を稼ぎながら、その大半は豪遊とクスリに消えたのだろう▼本来は非常に礼儀正しく、人情に厚い男。西武在籍時の1988年、近鉄との壮絶な戦いの末にパ・リーグを制し、日本一に輝いた際に「これで近鉄に顔向けができる」と発言。この言葉に感銘を受けた名将・仰木彬監督は後に彼をオリックス入団に導いた▼初犯とあって執行猶予付きの判決が下されるとみられるが、しっかり更生して本来の自分を取り戻してほしい。もう2度と「格子園」などに〝出場〟することがないよう願わずにいられない。(C)