臥牛山4月15日・若者の抜てき
賭博問題でシーズン前に揺れたプロ野球界。開幕後は各チームとも暗い雰囲気を振り払おうと全力プレーを繰り広げている。道民としては北海道日本ハムファイターズの調子が気がかりだが、今年は阪神タイガースが元気だ▼金本知憲新監督は「超変革」をスローガンに掲げ、実績のない若手選手を大胆に抜てきした。負けても常に温かい視線を送られる日ハムとは違い、阪神を取り巻く環境は厳しい。ファンは目が肥え、負ければ関西のマスコミに容赦なくたたかれる▼そんな伝統ゆえに思い切った改革もできず、昨シーズンまでは実績あるベテランの起用が目立っていたが、監督が変わって今までくすぶっていた選手たちが奮起。上位チームに食らいついている▼一般社会や企業でも同じことが言える。何でも変えればいいという訳ではないが、今まで作り上げたやり方に固執して目の前のチャンスに気づかなかったり、若者の力を伸ばす芽を摘んでしまうのではもったいない▼放っておいても勝手に出てくるたくましい芽もあれば、水をやり、肥料を与えて丁寧に手をかけることで育ってくる芽もある。何にせよ機会を与えることが肝要。金本監督の姿勢は企業や組織づくりのヒントになるはずだ。(C)