臥牛山9月5日・EU夏時間廃止へ
EU(欧州連合)の欧州委員会は8月31日、EU各国が採用している夏時間の廃止を欧州議会、加盟各国に提案すると発表した。世論調査で廃止を求める声が圧倒的に多かったことを受けての判断▼夏時間の問題については、2週間ほど前の本欄で触れた。安倍首相が東京五輪・パラリンピック対策として、自民党に検討を指示したことで。その是非論議が始まる矢先に突きつけられたのが長年、経験してきたEUの声▼3月の最終日曜日に時計の針を1時間早め、10月の最終日曜日に元へ戻す現制度を問う世論調査で、約460万件あった回答のうち84%が廃止を希望。その理由として健康への影響、省エネ効果なし、などが挙げられたという▼加えて、わが国には日の出と日の入り時間に地域差があるという難しさも。紛れもなく東京五輪・パラリンピックは国の大イベントであり、道路などのインフラ整備や来日外国人の増加など経済効果もある▼それを否定する人はいないだろうが、夏時間の導入は別。社会機能、国民生活がすべてに優先されるべきだから。五輪の暑さ対策というなら、競技の開始時間を繰り上げる環境を整えればいいこと。五輪のためと言えば、何でも理解を得られるわけではない。(A)