臥牛山3月4日・逆も信
「逆もまた信なり」という言葉がある。読んで字のごとく「逆も然り」「逆であっても正しい」とも解釈できる。時として感じ得ることだが、先日の国会(衆院予算委)でも、この言葉が頭をよぎる質疑があった▼衆院の選挙制度改革をめぐって。本欄でも議長諮問の調査会答申を尊重すべきとして触れた経緯がある。結局、自民は定数の10減、小選挙区定数の新配分方式(アダムス方式)を是としたが、導入時期は先延ばしを模索している▼アダムス方式の説明は長くなるので省くが、人口比を反映しやすくなる利点があるとされる。民主や維新などは次期選挙から採用すべきとしているが、自民は難色。質疑であったのはその攻防で、安倍首相の答弁は…▼「2015年の簡易国勢調査で(入れるべきだと)答申は述べていない」。だから20年(大規模国勢調査)を踏まえてという論だが、だとすると「…(入れなくていい)と答申は述べていない」という論も成り立つ▼そう考えると「述べていない」は説得力に欠ける。揚げ足取りというお叱りを受けるかもしれないが、こう指摘したくなるのも選挙制度改革が一向に進まないから。そこに合理的な理由があるならまだしも、それもない。(A)