臥牛山3月2日・便利だった「はまなす」
札幌―上野間の寝台特急「カシオペア」は北海道新幹線開業に伴い定期列車としては姿を消すが、車両を開発したJR東日本は北海道ツアーの団体列車として活用する方向で検討に入っている▼青函トンネル内の電圧変更が廃止の理由だが、JR貨物から機関車を借りることで不定期ながら運行が可能となった模様。客車自体はそう古くはなっていないだけに、有効な活用事例と言える▼カシオペアこそ〝優雅な旅〟を演出する性格が強いが、夜行列車そのものは時間を効率的に使って移動しようという側面が強いもの。その意味で札幌―青森間の急行「はまなす」の廃止に、不便さを感じる函館市民は多いはずだ▼札幌を午後10時に出発し、函館着は午前2時52分。青森からは午後10時18分に出て、午前1時前には函館に着く。夜行バスの利用が体力的につらいという人にとっても便利な列車で、札幌や東北で時間を有効に使うためには欠かせなかった▼新幹線開業によって函館―札幌間の特急は本数が増えるが、札幌発の最終列車は午後8時で、滞在時間は単純に2時間減る。東北と近くなるにせよ、札幌でのレジャーやビジネス需要はまだまだ圧倒的。道都がさらに遠くなる思いがする。(C)