臥牛山2月29日・域内自給率
北海道は押しも押されぬわが国の食料生産地。豆類やジャガイモ、小麦などの畑作物はもちろん、近年は米が勢いを増している。酪農や畜産も改めて言うまでもない。水産物もしかり▼その振興を支える術として「地産地消」が叫ばれ、米や牛乳などで消費拡大の運動が取り組まれている。“TPP時代”を頭に描くまでもなく、質のいい物を作る、啓蒙するの二つがかみ合った時は強い。それは米が教えてくれている▼品種改良や農業現場の栽培努力は、食味ランキングで「ゆめぴりか」や「ふっくりんこ」などを「特A」に導き、テレビCMなどの啓蒙が後押しした。その答えは、道民の消費が他県産米から道産米へと移り変わった現実(道民の道産米消費率)が物語る▼20年前は37%でしかなく、50%を超えたのは15年前だった。その後も比率を上げ、ここ4年ほどは道が目標に掲げた85%をクリアして90%水準に。2015米穀年度(14年産米)も暫定値で88%という▼他の主要産物もそうあってほしいが、残念ながら牛乳や肉類はまだまだ。牛乳はともかく、乳製品や肉類は外国産との競争激化が予想されるだけに、「地産地消」の火を燃やし続けなくてはならない。北海道のために。(A)