臥牛山2月27日・盛り上がりは「作るもの」
いよいよと言うべきか、ようやくと言うべきか。北海道新幹線開業まで1カ月を切った。本紙でも開業に向けた各種各層の取り組みが紙面をにぎわせている。開業日の上り一番列車の切符はわずか25秒で完売し、「その時」が近づいてきた実感がわく▼筆者は2010年12月、東北新幹線の新青森開業を取材した。肌に突き刺さるような冷たい風が、ホームを通り抜ける中で響き渡る津軽三味線の音色や、駅長が右腕をピーンと伸ばし、出発進行の合図を告げる姿が印象に残る▼新青森駅の中と外では県内の関係者がリンゴやパンフレットを配ったり、これでもかと言わんばかりのPR活動。まさに〝大盛り上がり〟の表現がぴったりだった▼1月末、新幹線試乗会に参加した際、札幌のあるテレビ局の知人にばったり会うと「盛り上がりがなぁ…」と不満げに声をかけられた。道南とそれ以外では温度差が感じられても仕方がないのかもしれないが▼「盛り上がっていない」と指摘するのは簡単だが、それは単に他人任せのスタンスでしかない。まだ1カ月あるととらえ、今からできることを地元に住む私たち一人一人が考えてみよう。誤解を恐れずに言えば、もっと「ばか」になっていい。(C)