臥牛山1月3日・減らない飲酒運転
年末年始は毎年、飲酒運転が原因による事故が多く発生する。ここ数年で厳罰化が進んでいるにもかかわらず、過ちを繰り返す人が後を絶たないのはなぜなのか▼筆者が首都圏で暮らしていた時は、日常の移動手段はほぼ100%公共交通機関で用が足りたたため、リスクを犯して飲酒運転する人の考えが理解できなかった▼しかし、函館のような地方都市では、日常生活に車は必要不可欠。「ほろ酔い程度だし、自宅までのわずかな距離なら大丈夫だろう」と、ついハンドルを握りたくなる誘惑が待ち受ける▼ある運転代行の広告に「あなたは数千円の料金を惜しんで、一生を台無しにしますか?」という言葉が並んでいた。この強烈なアピールも、酔って判断能力が欠けると「何を大げさに。自分は絶対に捕まるはずがない」という気持ちに打ち負かされることがあるのだから恐ろしい▼北海道新幹線開業が迫り、高規格道路など、都市間の交通網整備は着々と進んでいるが、市内の公共交通機関にはまだ見直しの余地がある。例えば、繁華街と住宅街を結ぶ深夜帯の路線を充実させることで、飲酒運転を撲滅し、飲食店にも活気をもたらす。一石二鳥の効果を生み出せないのだろうか。(U)