函館と本州を結ぶ交通機関の2017年度上半期(4~9月)の利用者数が3日までにまとまった。北海道新幹線の利用客は約110万3400人で、開業ブームに沸いた前年を23%下回った。一方、フェリーの青函航路は、海外客の団体利用が追い風となって2年連続で上回り、好調を維持。関東と函館を結ぶ航空路線は、バニラ・エアの成田線が加わったことで4年ぶりに増加に転じ、陸海空で明暗が分かれた。(山田大輔)
新幹線の利用客は、昨年と比べると毎月2割程度の減少。ただ、おととしの在来線実績との比較では31%増加し、JR北海道は「開業年と比べると利用は落ち着いたが、新幹線効果は維持している」とする。
ただ、今年1~3月の乗車率が20%以下にとどまったように、需要が落ち込む閑散期の利用促進策は、開業効果の持続に向けて喫緊の課題となっている。同社は、期間限定で新函館北斗―新青森間が半額で利用できる割引切符などを販売することで、テコ入れを図る方針だ。
青函航路の一般旅客は、前年同期比16%増の9万9076人。新幹線開業で割高になった鉄道料金に比べ、安い運賃が支持を集めているといい、道運輸局函館支局は「青森―天津間の定期航路就航で、フェリーを利用して道内入りする海外の団体客が堅調だ」と分析する。
空路の利用者は、羽田線と成田線の合計で同5%増の63万7852人。成田線で年間利用率80%を目指すバニラ・エアは「7~9月は目標を上回った。冬場は需要が低下するが、減少幅を最小限にとどめたい」とする。
羽田線は、同3%減の58万7932人。成田線に利用客の一部が流れたほか、全日空函館支店は「新幹線が開業した昨年に比べて函館のメディアへの露出が減り、想定していた数字よりも落ち込んだ」と説明。今後に向けて「関係機関と連携して函館の情報発信を強化し、首都圏からの誘客に努めたい」としている。