世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の函館市内の構成資産などを紹介する「垣ノ島遺跡・大船遺跡・函館空港遺跡群企画展」が、同空港で開かれている。遺跡出土品やパネル展示、物販などを通じ、縄文文化の魅力を発信している。5月14日まで。
空港を運営する北海道エアポート(HAP)函館空港事業所、道、函館市、函館商工会議所など7団体で組織する「函館空港の運営に関する協議会」の主催。同協議会では実務レベルで深掘りした意見交換を行うため、昨年7月に分科会を設立し、函館の観光振興施策に関し同9月に初会合。イベントは構成団体が共通で取り組む縄文文化のPRをテーマに認知度向上につなげようと企画した。
空港ビル1階中央ホールで開かれている企画展では国宝の中空土偶のレプリカや市内で発掘された遺跡出土品を展示。世界遺産の垣ノ島、大船遺跡、1967年の空港滑走路工事に伴う調査で発掘され、14カ所の遺跡で構成する「函館空港遺跡群」に関しパネル展示で紹介している。
29、30、5月3~7、13、14の各日は、縄文文化のPRに取り組む市民団体「縄文DOHNANプロジェクト」の協力でカックーのTシャツやトートバッグ、缶バッジなどグッズ販売コーナーを設ける。時間は午前10時~午後4時。ビル2階空港ギャラリーでは「第5回縄文絵画コンクール」(北海道新聞函館支社主催)の入賞・入選作品も展示している。
HAP函館空港事業所の担当者は「空港を利用する観光客などが縄文文化に興味を持ち、遺跡に足を運ぶきっかけになれば」と話している。(飯尾遼太)