函館市西桔梗町851の菓子店「吉田食品」(吉田貴之社長)は、疫病退散に御利益があるとされる妖怪「アマビエ」をデザインした練り切り製の和菓子を販売している。吉田社長自ら手づくりする一品はかわいらしいデザインで、新型コロナウイルスの一日も早い収束を願う人々の間で人気となっている。
アマビエは日本に古くから伝わる妖怪。半身半魚の姿で海中から現れ、疫病の流行を予言し、自身の姿を描いた絵を人々に見せるように告げたとされている。こうした言い伝えから、SNS上で全国的にウイルスの感染拡大が始まった2月ごろから、「アマビエチャレンジ」としてアマビエの絵やイラストが多く投稿されている。
吉田社長はウイルスの拡大が続く中、菓子づくりで何かできることはないかと模索していたところ、知り合いの菓子店店主らがアマビエの形をした練り切りを作り、SNSに投稿しているのを見つけ、試作して17日に投稿。見た人から「ぜひ販売してほしい」という声が上がり、18日から同社に隣接する和創菓ひとひらで販売している。
愛らしい表情のアマビエの菓子の中には小豆のこしあんが入っており、味も見た目も楽しめる。吉田社長は「アマビエの菓子でみんなが笑顔になってもらえたら。ぜひ家で和菓子を楽しんで」と呼び掛ける。
1個350円(税別)。一つ一つ手作業のため、数に限りがある。予約(翌日渡し)も可能。営業時間は午前9時~午後7時。問い合わせは和創菓ひとひら(0138・83・6668)へ。(飯尾遼太)