【奥尻】町は、地元名産の奥尻ワインの魅力を高めようと、ワインを海中保存して熟成させる実証実験に乗り出した。他県では成功事例もあり、味にまろやかさが生まれれば付加価値が出せるとして、関係者は期待を寄せている。
ヨーロッパ海底の沈没船から発見されたワインの味が優れていたという逸話を基に考案。国内では静岡県伊豆市で海底熟成ワインの商品化を実現させている。
町がワインを製造する奥尻ワイナリーから赤と白、ロゼの計7種類約140本を買い取り、20日に奥尻港で海底に沈める作業を実施。コルクの部分をろうで密封して特製の木製コンテナに入れ、クレーン車で水深約3メートルの地点に沈めた。
引き上げは来年2月を予定。道立工業技術センターと連携し、海中保存したワインの糖度や酸味など成分を細かく分析する。町地域政策課は「奥尻ブルーと呼ばれる美しく澄んだ海で保存することで味に変化が生まれ、商品化してブランド力向上につながれば」としている。(山田大輔)