【札幌】本年度の道新技術・新製品開発賞と、道省エネルギー・新エネルギー促進大賞の表彰式が12日、道庁で開かれた。新技術・新製品開発賞食品部門で、函館地域産業振興財団が推薦した山下水産(後志管内寿都町)の「ダルス佃煮」が大賞を受賞し、同社の山下邦雄社長に荒川裕生副知事から表彰状が贈られた。
道内中小企業の新規性、技術水準、独創性に優れた新技術や新製品を表彰しており、本年度は20件の応募があった。
山下水産の受賞作「ダルス佃煮」は、国内で産業利用されていない海藻「ダルス」を原料にした佃煮製品。加工に伴う色の変化を安定させる技術開発の際に発生する、ボイル塩蔵品の食感を独自の加工技術で保持することで、シャキシャキとした独特の食感を出すことに成功した。
山下社長は「海藻の特徴をつかむのに時間がかかった。札幌市内の百貨店で販売しているが、来年は道外への販路拡大を目指したい」と喜びを語り、函館地域産業振興財団の木下康宣研究主査は「もともとダルスは道内に多く生息する海藻だったが、コンブやワカメに隠れてしまっていた。道南産ダルスの利用法が広がることを今後も期待したい」と話していた。(鳥越裕子)