函館市内の商業施設や介護事業者などでつくる「おでかけリハビリ推進協議会」(松田悌一会長)は1日、全体会議を函館朝市ひろばで開いた。ショッピングなどを通して健康増進に役立ててもらう事業「おでかけリハビリ」の成果や今後の方向性を議論。参加した高齢者の買い物による想定売り上げは、21回の開催で約82万円に上ることが報告された。
事業は昨年4月、函館朝市で本格的にスタート。介護施設や函館社会福祉協議会などから申し込みがあり、延べ約330人が参加。実施会場は百貨店やスーパーなど10カ所に拡大している。
全開催のうち、買い物による平均単価の最大は7000円。昨年12月に江差町会の16人が朝市を訪れ、買い物や飲食を満喫した。
参加者をこれまで4回受け入れたテーオーデパートは、最も多い時で1日約12万円の売り上げがあり、企画テナントセクションの本多烈さんは「メリットが非常に大きい。地域コミュニティの場づくりを目指した取り組みも進めているので、今後も積極的に受け入れたい」と話す。
高齢者にとっても利点は多い。事業に数多く参加する平山医院通所リハビリセンター(東雲町)で、利用者を誘導する岡幸江さんは「ヘルパーに買い物を頼んだ時は、希望の品と違う時がどうしてもある」とした上で「自分で選んで商品を購入する利用者の顔は生き生きとしている。もっと買い物できるよう、リハビリを頑張ろうというきっかけにもなる」と強調する。
一方、会議では参加する高齢者の移動手段の確保や実施施設のさらなる拡大などが課題として挙がった。同協議会は函館、近郊の300以上の介護施設に案内書を設置して周知を図る考え。松田会長は「医商連携で介護予防と商業活性化を推進したい」と話している。(山田大輔)