函館市内の多くのガソリンスタンド(GS)で8日、レギュラーガソリンの価格が1リットル当たり6~9円値上がりした。セルフ式の現金価格は105円前後となり、関係者は「石油の元売り価格上昇を背景に、今後は値上げが続く可能性がある」とみている。
函館市がまとめた1月のレギュラーガソリン1リットルの平均価格は118・4円。過去3年の最高値169円(2014年8月)から約50円下落し、1月下旬には7年ぶりに100円を割り込むGSが出た。
一転して価格が上昇した要因について、函館地方石油業協同組合の伊藤清隆事務局長は「先週、石油大手元売り各社がガソリン卸価格を5円程度引き上げたことが大きい」と指摘。「卸価格は上昇を続けており、採算面で厳しくなった小売業者による価格転嫁が進むのでは」と値上げ基調に転じる可能性を示唆する。
全国のレギュラーガソリン価格の調査を行う石油情報センター(東京)は「一部産油国が協調減産に踏み切るのではという情報が飛び交い、原油価格は乱高下している状態。先行きの不透明感が強まっている」としている。
この日、市内のGSで給油していた会社員の久米恭平さん(31)は「原油価格は下落していると思っていたので、値上げには正直驚いた。また値段が下がることを期待したい」と話していた。(山田大輔)