【北斗、木古内】長距離トライアスロンの国際大会「アイアンマンジャパンみなみ北海道」が15日、北斗市と木古内町を舞台に開かれる。スイム3・8キロ、バイク180キロ、ラン42・2キロの計226キロで行われる。20~81歳の1550人がエントリーし、海外からは約200人、道内からは約110人、全体の1割が女性。たった一つの栄誉「You are an IRONMAN」と呼ばれるために過酷な競技へと臨む。(今井正一)
■スイム 遠浅で回復しやすい
北斗漁港(上磯地区、北斗市飯生1)付近の海上で行われるスイムは午前6時半にスタート。眼前に函館山を見据え、漁港の堤防とセメント運搬用の桟橋の間を泳ぐイメージで、1・9キロを2周する。登録時に選手が申告した自身の泳力に応じて5人ずつ時間差で次々と競技を始めるローリングスタート方式となる。
大会レースディレクターの綱島浩一さんは「遠浅で足を着くことができる場所も多く、選手としてはリカバリー(回復)しやすい。ないでいれば水泳のリタイア率は低くなるのでは」と予測する。トップ選手は午前7時20分ごろにスイムを終える見込み。関門は同9時20分。
■バイク 江差道の新たな可能性を開拓
スイムを終えた選手はトランジションエリアでヘルメットやシューズを受け取り、バイク競技へと移る。富川インターチェンジ(IC)から函館・江差自動車道へと上がり、北斗中央・木古内IC間を3往復半して、木古内町のふるさとの森公園へと向かう。
北斗中央、茂辺地、木古内IC付近にエイドステーション(AS)を設定。選手は約30分で500ミリリットルの飲料を飲み干すといい、円滑な補給が重要だ。レース中は、前を走る選手に近づいて空気抵抗を軽減する「ドラフティング」はペナルティーの対象で、12メートルの間隔を保つことや追い越しにもルールがある。綱島さんは「江差道は見晴らしが良く、前の選手との間隔が取りやすい。レースが進めば、等間隔に自転車が並ぶ様子が見られるだろう」とする。
ただ、観戦可能な場所は限られている。3周半を終えて木古内ICを下りて国道228号に入る場面の歓声は選手の励みになるだろう。トップ選手の通過は午前11時半前後、関門は午後5時半。
■ラン 田園地帯、駆け抜ける
フルマラソンと同距離で行われる。ふるさとの森公園を出た後、JR木古内駅北口を通過して、出来秋を迎えた田園地帯や中心部を通り抜ける14キロを約3周し、町役場前のゴールを目指す。当日の日没は午後5時48分で、多くの選手は夜の時間帯を走ることになる。6カ所にASが設けられるが、沿道の声援は選手を前へと進ませる一助となるだろう。
トップ選手のゴールは午後2時半~3時前後、ピークは午後7~9時ごろを見込む。関門は深夜0時。最後の力を振り絞って前に進む姿は、大会最大の感動を生むだろう。