函館市電運賃への対キロ区間制の導入と市営バス(当時)の運賃改定に合わせ、市交通局(現・市企業局交通部)は1992(平成4)年10月1日、市電・市バス共通の磁気カード乗車券「イカすカード」を導入した。
イカすカードは販売額以上の割り増しが付くなどお得な乗車券として登場。導入当初の5000円券(利用可能額5800円)は、漁り火とイカの写真をあしらった絵柄だった。
500円券は贈答用としての需要もあり、オリジナル図柄での発行も可能だった。各種学校の創立記念、企業や店舗の開業記念、結婚、退職のあいさつなど利用方法はさまざま。五稜郭祭、港まつり、マラソン大会など市内の主要イベントでは記念カードも発行された。
昨年3月にはICカード乗車券の「ICAS nimoca」(イカすニモカ)を導入。今年度から高齢者交通料金助成制度もIC化したこともあって、利用者は順調に増えている。一方の磁気カードは既に新規発行を終えたが、2020年3月31日までは利用可能。市交通部事業課は「イカすカードの利用者は減ってきているが、まだ使えるのでお手元にある場合は期限までに使ってほしい」としている。(今井正一)