函館市農林水産部農務課はこのほど、新規就農希望者に向けたガイドブック「函館で農業を始めたいあなたへ~」(A4判8ページ)をまとめた。函館市内で農業を始めるまでのプロセスや、主要農産物の紹介、相談窓口などを簡潔にまとめており、同課では「ガイドブックをきっかけに、特に若い世代に農業への関心を高めてもらいたい」としている。
函館市では農家約450戸のうち60代以上が約85%を占め、20~30代は約2%にとどまる。若い世代の新規就農支援策として49歳以下を対象に就農までの準備期間(最長2年)と、経営開始から最長5年間にわたり資金を交付する「青年等就農計画認定制度」などを設けているが、制度そのものの認知が低く、利用も少ない現状を受け「農業に興味があるが『どこに相談したらいいか』『どんな手続きをしたらいいか』などと悩んでいる人たちに目を通してもらいたい」と、ガイドブックの作成に取り組んだ。
ガイドでは就農までのプロセスとして就農相談→体験・現場見学→農業経営ビジョンの明確化→農地の取得など、一連の流れをチャートで分かりやすく解説。また函館市の農業の現状として、水稲や豆類、各種野菜類などの作付け時期や収穫量、家畜飼育農家の個数や飼育頭数などを紹介している。
同課は「最近は日本酒の原料となる酒造好適米や、ワイナリーの進出に伴う醸造用ブドウの生産など新しい取り組みも進んでおり、全国の若い世代に函館での農業の魅力をPRする絶好のチャンス。このガイドが函館での農業に興味を持つ入り口になってくれるとうれしい」と話している。
同ガイドは函館市のホームページからダウンロードできる。新規就農に関する相談窓口は同課(0138・21・3342)へ。(小川俊之)