応援したい自治体に寄付ができる「ふるさと納税」の函館市への2021年度8月末時点までの寄付額(速報値)が1億3617万円となった。新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要が顕著だった昨年度同時期の2億2834万円には及ばないが、おととしと比較すると約2倍の金額で、市は「最終目標である8億円を目指し、魅力的な返礼品をとりそろえていきたい」としている。
市への寄付額は17年度が1億6910万円、18年度が3億4092万円、19年度が5億7985万円と順調な伸びが続き、昨年度は全国的な巣ごもり需要効果で過去最高の9億1173万円を記録した。今年度は昨年度ほどの勢いはないものの、豪華な食材を家庭で楽しもうという巣ごもり需要が続いている中で、函館ブランドの海産物の返礼品としての人気が高いとみられる。
寄付目的は「函館市全体のために」が8305万円でトップ。「子どもたちの未来のために」が2581万円、「美しい景観を守るために」1272万円、「活気とにぎわいのあるまちのために」488万円、「福祉の充実のために」4406万円、「大間原発建設凍結のために」530万円と続く。
函館市の納税仲介サイトはこれまで「ふるさとチョイス」「楽天」「さとふる」の3つだったが、今年度から「ふるなび」が新しく加わり、利用拡大への期待が高まる。
返礼品では「サケの切り身」が不動の一番人気で、海産物が幅広く支持を集めている一方、9月からはコンビニエンスストア「ハセガワストア」の人気商品「やきとり弁当」の味が自宅で再現できる「調理済み冷凍やきとり」がラインアップに加わり注目を集めている。市財務部は「今後も地元企業と連携して、函館ならではの個性あふれる魅力的な商品をそろえていきたい」と意欲を見せている。(小川俊之)