大規模災害時に医療活動や行方不明者の捜索救助に当たる災害時多目的船(病院船)の拠点候補に函館港が政府内で再浮上していることについて、函館市は、地域医療や経済面で一定の効果が期待できるとの見方を示した上で「国の動向を注視し、情報収集に努めたい」と述べた。
14日の定例市議会一般質問で、松宮健治氏(公明党)の質問に対し、湯浅隆幸企画部長が答えた。
病院船は、手術室や病床などの医療設備のほかヘリポートも完備した多目的船。
市は、地震や台風の影響を受けにくく、太平洋と日本海への航行に迅速に対応できるとして、2011年度から4年間、病院船の早期整備と函館港の母港としての活用を国に求めた。結局、導入には至らず、15年度以降は要望活動を行っていない。
今年に入り、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って患者を隔離できるとして病院船に再び注目が集まった。国は今年4月の第1次補正予算に、調査費7100万円を計上している。
湯浅部長は「病院船の活動支援を通じて、国内、国際社会への貢献はもとより、地域医療や経済面で一定の効果が期待できると考えている」と答弁した。(長内宏人)