函館市が市民の意見を市政運営に反映させるため開設している「市民の声」に2015年度、前年度比14件増の535件が寄せられた。インターネットを利用した市ホームページ(HP)からの投書が目立ち、市広報広聴課は「自宅からでも気軽に利用できることから、若年層の投書に期待したい」としている。
同課によると、12年度に集計を開始したHPからが同69件増の255件と最多。本庁舎の投函箱に寄せられたのが同22件減の137件だった。
次いで湯川支所に26件、亀田支所14件など。幅広い年齢層からの投書を狙い、昨年4月には市総合保健センター(五稜郭町)から市中央図書館(同)に投函箱を移設したが、同14件減の26件と伸び悩んだ。このほか「市民の声」には加えないが、市の代表メールに寄せられた意見、要望も298件あった。
意見としては計550件あり、職員の窓口対応や庁舎管理、行財政に関するものが最多の234件。除雪や道路舗装などを要望する声は158件で、教育や文化・スポーツに分類されたのが58件だった。
実際に市政に反映した指摘や要望では、五稜郭公園でウオーキングやランニングを行う際、反時計回りで周る協力を呼び掛ける看板を3基新設。交通事故防止のため、東雲町の市道交差点に植栽されていたツツジやオンコを撤去、移植し、視界の確保に努めた。
「市民の声」は1997年度から実施。専用用紙に記入し、本庁舎や各支所などに設置されている投函箱に入れたり、インターネットを使ったりして投書できる。同課は「職員では気付かない問題も多いので、多くの意見や要望をいただき市政に反映させたい」としている。(蝦名達也)