JR函館駅前の再開発ビル「キラリス函館」3階の「はこだてみらい館」の利用が低迷している。平日の来館者が少ないのが主な要因で、利用低迷問題は市議会でも取り上げられる話題となった。市では、今月中に存在を広く周知する屋外看板2カ所の設置や、企画展を開催するなど、てこ入れを図る方針だ。
みらい館は、中心市街地のにぎわい創出に貢献する施設として、4階に整備した「はこだてキッズプラザ」と合わせ昨年10月にオープン。縦2・4メートル、横14・4メートルの巨大高精細LEDディスプレイ「メディアウォール」など先端技術が楽しめる体験型コミュニケーションスペースで、両館とも「はこだてみらいプロジェクト」が指定管理者となっている。
市経済部によると、みらい館の昨年10月~今年2月末の来館者は1万5196人となっており、市が予定する6万人(3月末現在)を大きく下回っている。一方、キッズプラザは2月末で4万9562人で、3月末に予定する5万5000人をクリアできる見通しだ。
みらい館は、冬休みや土・日曜は定期的なワークショップ(WS)の開催で一定の集客が見込めるものの、平日はターゲットとする修学旅行・研修旅行生、観光客の利用が少ない。
市はてこ入れ策としてキラリスの壁面に、みらい館(横4メートル×縦75センチ)、キッズプラザ(5メートル×75センチ)の施設広告看板を月内に設置。また、駅前バスターミナル近くの公衆トイレ壁面にも案内板を出す予定だ。
今月18日~5月14日にはみらい館で企画展「手塚治虫と描く みらい展」を開催する。内容は手塚治虫に関するパネル展示やアニメ上映、アニメーションワークショップ、漫画閲覧コーナー、アトム・スタンプラリーなどを予定している。
開会中の市議会定例会の予算特別委員会経済建設分科会(7日)の質疑で、委員から大人600円という入館料の高さも踏まえ「制度そのものを見直すべきでは」との指摘があった。施設近くに提携駐車場があり、両館利用者は2時間まで無料となるが、駅前周辺の駐車場の不便さも指摘されている。同部は「平日に大人向けWSを企画するとともに、料金についても経過を見ながら検討したい」と答弁した。(山崎大和)