JR函館駅前の市有地を活用した整備事業プロポーザルの審査委員会(委員長・瀬戸口剛北大大学院工学研究院教授、委員7人)が8日、市役所で開かれ、最優秀提案者の大和ハウス工業東京本店を正式に推薦することを決定した。前回審査(9月)で求めた各条件の再検討が適切であると判断した。今後も商業機能の在り方や施設デザインについて、事業の進捗(しんちょく)に応じて審査委と協議することを確認した。
推薦決定を受けて、今月中にも事業用地を所有する市とJR北海道、大和ハウス工業の3者で事業協定を締結する見通しとなった。
9月の提案では、「和のおもてなし」を全体キーワードに、商業施設が「宿場町」をイメージした和風の外観となり、審査委が「函館の歴史・文化の再検証」を求め、市民共感が得られるデザインとすることを条件としていた。
再提案では、外観コンセプトを「西部地区の『歴史的街並み景観』のオマージュとしての景観を創出」とし、和・洋・クラシック・モダンのキーワードを組み合わせて調和するデザインとすることを明記した。
修正した商業施設部分の外観イメージが新たに示されたが、地元企業を含めてどのような入居店舗とするか、具体的に決まっていないため、再度、施設全体の方向性とともに審査委の意見を聞きながら、検討を続けることを確認。市企画部政策推進課は「外観のデザインについては検討の余地があるが、事業を確実に推進できる体制は申し分ないという判断となった」とする。
ホテル棟は地上13階建てで300室程度で、滞在型の「サービスアパートメント」機能も整備する。施設開業予定は前回提案時より1カ月ずれ込み、2019年6月としている。(今井正一)