函館市が開設の可能性を検討する看護系大学・学部を巡り、市は新たに設置形態と整備費(概算)の試算を公表した。市立大を新設する場合は65億~70億円、公立はこだて未来大への学部増設は11億~40億円とする5つのパターンを示し、定員は50~70人とした。検討に必要な基礎資料とするが、市は修正案を提案する考え。
25日に市役所で開いた「市看護系大学等設置に関する検討会議」(座長・斎藤征人道教育大函館校教授、委員7人)で、市が説明した。整備費は他都市の看護系大の建設工事費を参考とし、物価上昇率を考慮して算定した。
市立大の新設は、市内の土地を取得し、建物を建設するため65億~70億円と見込んだ。未来大への学部増設は4パターンで①未来大の敷地内に建物を建設する場合が35億~40億円②市立函館病院高等看護学院校舎を利用し、不足する研究室新築を5200平方メートルとした場合は35億~40億円③研究室新築を3000平方メートルとした場合は20億~25億円④市立函館病院高等看護学院とその他建物を利用し、新規建設をしない場合は11億~13億円と見積もった。いずれも工事費が膨大なことや、看護学院の学生募集停止時期によって看護師供給に影響が出るなどの課題も提示。開設年度は2030~31年度と想定した。
委員からは、質の高い看護師養成を行うには4年制大学が必要との認識で一致。「開設年度を早められないか」との声も上がった。
市は設置する場合、認可に向けた課題などを聞き取るため10月に文部科学省を訪問すると明らかにした。市企画部の阿部慶太部長は想定設置例の練り直しに言及し、12月~来年1月に開く第3回会合で収支や財源、定員などを盛り込んだ修正案を示す考えを示した。年度内に第4回会合を開き、意見を取りまとめる。(山崎大和)