台風9号から変わった温帯低気圧の影響で大雨に見舞われた10日の道南は、各交通機関で欠航や運休が相次ぎ、お盆を前に函館を訪れた旅行客や帰省客らの足を直撃した。
JR北海道は、函館―札幌間の特急「北斗」を函館発、札幌発とも始発からすべて全区間運休としたほか、函館線新函館北斗―長万部間の普通列車も終日、運転を見合わせた。11日は始発から運転を再開する。道南いさりび鉄道は、9日の函館午後9時52分発木古内行き1本と、10日午前中に運行する函館―木古内間の上下線、上磯―木古内間の6本、計7本を運休。約180人に影響が出たが、同日午後から運転を再開した。
JR函館駅では、列車の運休を知らせるアナウンスが流れる中、交通機関の乱れで足止めされた利用客で混雑した。青森県大間町の会社員の女性(25)は「9日に自宅に帰る予定だったがフェリーが止まって帰れない。10日から仕事の予定が、数日程度休まないといけない」と困惑の表情を浮かべた。
このほか、津軽海峡フェリーは、函館―大間間の3往復6便を欠航。11日午前9時半函館発大間行きの1便は当日の天候で運航の可否を判断する。また、ハートランドフェリーは江差―奥尻間の1往復2便の運航を取りやめ、計45人に影響した。(長内宏人)