七飯町の駒ケ岳山麓で行方不明になり、今月3日に無事保護された北斗市の小学2年生ン墓男児(7)が7日午後、市立函館病院を退院した。体調について「大丈夫です」と元気に答えた。
男児は大好きな北海道日本ハムファイターズの帽子をかぶり、医師や看護師らの見送りに笑顔で応えた。大事そうに抱えた野球ボール型の寄せ書きには「元気でね」「本当の孫のように心配していました。無事で本当に良かった」のメッセージ。寄り添った両親は、大勢の住民や報道陣を前に何度も深く頭を下げた。
男児は5月28日午後5時ごろ、両親と姉の4人で鹿部町に遊びに行った帰りに、親の言うことを聞かせるためのしつけで七飯町の林道に車から降ろされた。男児ははぐれた場所から直線で約7キロ離れた陸上自衛隊駒ケ岳演習場内の小屋まで歩き、発見までを過ごした。
親は当初、「山菜採りではぐれた」と通報していたが、その後、石投げなどの行為を改めさせるための家庭内教育の一環と判明。消防や警察、役場、自衛隊など総勢約1000人が捜索した。
3日午前、偶然訪れた自衛隊員が、小屋にいた男児を見つけて保護。マットレス2枚に挟まって寝たり、小屋の外にある水道水のみを飲んで命をつないでいた。小屋までの道のりは不明だが、隊員に発見されるまで「誰にも会っていない」と話したことから、道警は第三者による連れ去りなどの事件性はないと判断している。(田中陽介)