独創的な凧(たこ)作りを続けた故梅谷利治さん(1929~2017年)の作品を使った凧揚げ会が4日、函館市の緑の島で開かれた。干支(えと)のネズミをモチーフにした連凧などを用いて、新春の空に願いや平和への思いを届けた。
旧函館東高の教諭だった梅谷さんの教え子で、NPO法人体験塾SUMOCCA(スモッカ)代表の中田嘉明さん(62)が梅谷さんの作品を引き継ぎ、毎年正月に開催している。
梅谷さんは生前、創作凧研究所「創作凧治工房」を主宰し、毎年干支をモチーフにした凧を発表。「愛」「平和」といった文字が刻まれた。ハート型にねずみの顔を描いた連凧は08年の用に制作した「福子連凧」や、口の開き方が異なる1対の立体凧「あうんの天龍」などが空に上がり、風を受け流す音と子どもたちの歓声が響いていた。
遺愛幼稚園に通う中山岳ちゃん(5)は「寒かったけど楽しかった。高く飛んでいったのが面白かった」と喜んでいた。中田さんは「天気にも風にも恵まれて良かった。子どもたちの夢や願いが空高く上がり、かなえられれば」と話していた。
梅谷さんが制作した十二支をモチーフにした凧は同日から15日まで、市地域交流まちづくりセンターで展示している。(今井正一)