函館ハリストス正教会(児玉慎一神父)で24日、「降誕祭徹夜祷(てつやとう)」が開かれた。多くの市民や観光客が訪れ、キリストの生誕を祝い、祈りをささげた。
昨年までは「市民クリスマス会」として合唱を中心に聖夜の祈とうを多くの人々と分かち合う形で開いてきたが、今年6月に亡くなった前ニコライ・ドミートリエフ神父の後を継いだ児玉神父の着任に伴い、今年は聖歌と聖書による祈とうを中心に行った。
この日は、教会内に約60本のろうそくの明かりをともし、児玉神父が祈とう文を読み上げ、信徒たちが聖歌を教会内に響かせると、会場は荘厳な雰囲気に包まれた。
また、キリストがこの世に生まれ、救いをもたらしたことを祝う象徴として、児玉神父が参加者のおでこに「聖油」と呼ばれる油で十字架を書いたり、「五餅(ごへい)」と呼ばれるパンを食べる儀式で、神の恵みを分かち合った。児玉神父は「降誕祭を通じ、神から与えられた命をどう生きるかを考え、命の大切さに気づくきっかけにしてほしい」と参加者に呼び掛けた。(飯尾遼太)