【森】町内在住で、函館トライアスロンクラブに所属する藤澤洋子さん(53)が、17日にオランダ・ロッテルダムで開かれるトライアスロンの世界選手権「ITU世界エイジグループ・スタンダードトライアスロン選手権」に出場する。競技を始めてわずか3年で、初めての世界大会。藤澤さんは「無事に完走して、次につなげたい」と意気込んでいる。
森出身の藤澤さんは、学生時代からスポーツに親しんでいたわけではなかったが、30代から約10年間、当時町内で盛んだった犬ぞり大会に出場。数々の受賞歴を持ち、「ソリにはほとんど乗らず、犬と一緒に雪山を駆け上っていた」と運動する楽しさを実感した。40代からマラソン、50代からトライアスロンを始めるなど、年齢を重ねるごとに新たにチャレンジする姿に、「60代では何をするんだと周囲から笑われています」と笑顔を見せる。
出場するのは、一人でスイム(水泳)1・5キロ、バイク(自転車)40キロ、ラン(マラソン)10キロを走破するクラス。マラソンを得意としていた藤澤さんだが、競技を始めた当初は水泳ができなかった。同時に所属した同クラブの先輩選手の指導を受けながらめきめきと頭角を現し、昨年8月に上川管内東川町で開かれた大会で年代別3位と、基準をクリアして世界行きの切符をつかみ取った。
「1度に3回も楽しめるスポーツはトライアスロンだけ。子どものころに楽しんでいた駆けっこを大人になってもできる感じ」。藤澤さんはスイムを成し遂げた達成感の後には、バイクに挑戦できる喜び、辛くても笑いながら大好きなランに熱中できることに幸せを感じるという。早朝、仕事終わりにマラソン、バイクで町内を駆け巡り、時間を見つけてはプールに向かう日々を過ごし、大会当日に備えている。
出場する50~54歳の女子部門には、藤澤さんを含めて日本人が6人エントリー。世界各国からベテラン選手も大勢参加することが予想されるが、「強豪の方々と競い合えることをうれしく思う」とし「『年だから~』とスポーツをマイナスに考えず、やってみようと思えばいくつになっても何でもできる」と、自身を奮い立たせている。(蝦名達也)