国宝土偶のレプリカをはじめ、道南の縄文遺跡で出土した土偶を集めた企画展「縄文土偶サミット」が26日、市縄文文化センターで始まった。中空土偶をはじめとする国宝レプリカ5体が一列に並び、大きさや質感、体に施された文様などを鑑賞できる。
南茅部地区出土の中空土偶の国宝指定10周年を記念した事業。国宝レプリカのほか、道南出土の土偶58点、関連出土品など計76点を集めた。国宝土偶は▽縄文のビーナス=長野県茅野市▽仮面の女神=同▽合掌土偶=青森県八戸市▽縄文の女神=山形県舟形町-と中空土偶の5体。展示ケースは周囲を歩くことができ、正面からだけではなく、各土偶の持つ普遍的な美しさをじっくりと眺めることができる。
道南出土の土偶では逆三角形型で手足がなく上半身だけの出土品(松前・福山遺跡など)や、逆に顔だけが残された土偶(木古内・釜谷4遺跡など)、抽象的な表現になったもの(八雲・栄浜1遺跡)までさまざま。土製品やミニチュアの土器なども展示した。
同センターの樋口五月学芸員は「土偶は生活品より出土数は少ないが、全国で見つかっており、何らかの大切な意味を持っていたもの。魅力的な土偶がそろっているので、じっくりと見てお気に入りの土偶を探してもらいたい」としている。
9月3日午後1時から、トークセッション「中空土偶『茅空(かっくう)』の魅力」を開催。定員は50人。企画展は同24日まで。入館料は一般300円、学生150円。毎週月曜日休館。問い合わせは同センター(0138・25・2030)へ。(今井正一)