失語症の人や家族らが交流を図るイベント「失語症交流カフェ『言の輪(ことのわ)』in函館朝市」が24日、函館朝市ひろば(若松町9)で開かれる。当事者に社会参加の機会を与えるとともに、意思疎通の支援ができる仲間を増やすのが目的。イベントを主催し、言語聴覚士の資格を持つ小林文代さんは「一般の人や学生にも参加してもらい、病気を正しく理解してもらえる場にしたい」と意気込んでいる。
小林さんは2016年10月、函館蔦屋書店で交流イベントを初めて実施。その後も同書店で月1回、コーヒー付きの会合を持ち、当事者同士や地域住民との仲間づくりを支援している。
一方、会場となる朝市では高齢者のリハビリに買い物や食事を織り交ぜた事業「お出かけリハビリ」が4月にスタート。外出機会を確保するという狙いは交流イベントと共通だったこともあり、小林さんとお出かけリハビリを行う函館朝市協同組合連合会が今回の催事を共同で企画した。
当日は、朝市で買い物や食事を楽しんだ後、「おいしいお茶の入れ方教室」を開催。同連合会がイベントホールを開放するほか、駐車場代を負担する。
日本失語症協議会(東京)によると、失語症は全国で約50万人が患っているが、当事者らが交流するイベントは全国でも事例が少ないという。小林さんは「当事者や家族が一歩外に踏み出すきっかけにしたい」と話している。
午前10時~午後2時。参加費は500円(保険代など含む)で、買い物や昼食に伴う費用は自己負担。定員20人。22日締め切り。申し込み、問い合わせは小林さん(090・2815・0320、午後8時まで)へ。(山田大輔)