函館市内の学校でアスベストを含む断熱材の剥離が相次いで発覚している問題で、函館市教委は15日、アスベストを含む断熱材が使用されている市内25施設のうち、剥離の有無が分かっていなかった20施設の煙突で行った再調査の結果を発表した。新たに学校4校と社会教育施設2カ所の計6施設でアスベストとみられる物質が発見されたほか、含有の可能性がある剥離も4校で見つかった。市教委は「これまでの調査が不十分だった」と認め、陳謝した。
新たに分かったのは、戸倉中(給食調理用)、戸井西小、日新中、恵山中、戸井総合学習センター、恵山総合体育館(以上暖房用)。また、赤川中(用務員室給湯用)、旭岡小、桔梗中(調理、暖房用)、椴法華中(暖房用)ではアスベストを含む可能性のある剥離が見つかった。このうち、給食調理用ボイラーに使用している煙突内部で剥離が見つかった学校は15日、給食中止や簡易給食の措置を取った。
調査は14日夜から15日朝にかけて市教委職員が行い、採取したサンプルを目視で点検。一連の問題で、アスベストを含む断熱材の剥離が判明したのは、中央小と14日に発表した3校、15日に新たに分かった4校と2施設を合わせて10施設となった。
25施設では、昨年10月~今年9月に市教委が目視点検を実施。10月下旬に中央小で剥離片が放置されていた問題が発覚し、点検のため今月1日、学校17校を再度訪れた。だが、実際に点検できたのは6校で、他の学校は「ボイラーが高温だった」などの理由で実施していない。15日に会見した山本真也教育長は「2度の調査で、アスベストを探し出せないケースも起こり得たのかもしれない」と、調査で見落とした可能性を示唆した。
市教委は再調査結果をもう一度点検するため、各施設の調査を市都市建設部に依頼。飛散防止の措置も今後進める。空気中の濃度調査は、東山小と潮見中は14日に終え、中部小では15日に屋内外計8カ所で行った。結果は1週間程度で判明する見通し。(稲船優香)