【北斗】市文月の新たなワイナリー「ドゥエ・プンティ」の起工式が10日、予定地の自社農園であり、オーナーの井坂真介さん(37)をはじめ、関係者20人が事業の成功を祈った。市内では、同社を含めワイナリー3棟と、ワインを楽しみながら宿泊ができる農泊施設が計画されており、市の掲げる「ワインによる地域活性化」に弾みがつきそうだ。
同社は2020年設立。約2・5ヘクタールの敷地内に「ピノ・ノワール」「ピノ・ブラン」などのブドウを植え付ける。これまで上ノ国ワイナリー(上ノ国町)で醸造を行ってきたが、今秋にも待望の自社ワイナリーでの仕込みに入る。
井坂さんは起工式で「本当にうれしい。世界を驚かせるようなワインを造っていきたい」と抱負を話した。
ワイナリーは木造平屋建て、面積は約90平方メートル。年間生産能力は約20トンで、初年度は自社畑と購入ブドウも含め約13トンの生産を計画する。
文月・向野地区は、同ワイナリーのほか、25年に農泊施設を建設する「ヒュッゲ」、今年、自社畑に函館市内からワイナリーを移転する「農楽蔵」、来年自社農園にワイナリー建設を目指す「トロッコ」と、ワイン関連事業者の集積が進む。4社は昨年「文月・向野6次産業化協議会」を設立し、農水省と市から事業費の補助を受けた。池田達雄市長もドゥエ・プンティの起工式で「市もワインの核としたまちづくりを進めていきたい」と全面的にバックアップする考えを示した。(神部 造)