函館の主要観光スポット・外国人墓地(船見町)の魅力をさらに知ってもらおうと、市民有志がこのほど「はこだて外国人墓地散策マップ」を作成した歴史愛好家らが集まって今月10日に発足した「はこだて外国人墓地散策の会」(遠藤浩司代表)の取り組みで、遠藤代表(55)は「函館に縁あって訪れた異国の人々を、マップを見ながらしのんでみては」と、活用を呼び掛けている
函館元町ホテル(大町4)の社長を務める遠藤代表は、以前東京への出張時に見た雑司ヶ谷霊園の墓地マップをヒントに、地元の外国人墓地でも作ろうと考案「景色が良く、ゆったりとした時間を過ごしたい人にはいいかもしれないが、何を見ていいか分からないという人も多い」と、作成のきっかけを話す
作成にあたっては、考古学者の故馬場脩氏が1975年に出版した「函館外人墓地」を参考にまとめた国や宗派ごとに分かれている墓地の中でも、ロシア人墓地とプロテスタント墓地を中心に構成中でもロシア人墓地に関して、初代ロシア総領事として知られるヨシフ・ゴシケビッチ(1814~75年)の夫人の墓の存在や、江戸時代末期の1859~63年に埋葬者が集中している点などを重点的に紹介している
同会には「はこだて外国人居留地研究会」のメンバーや市内で活動するまちあるきガイドらが参加しており、今後は観光客向けにガイドもしていきたい考えマップを手にした室蘭からの観光客(27)は「一つ一つの墓にエピソードがあるとは思わなかった」と気に入った様子だ
B4判4つ折りで3000部作成同ホテルや市地域交流まちづくりセンター(末広町4)などで無料配布している遠藤さんは「来年3月の北海道新幹線開業を見据え、さらに函館の魅力発信に努めたい」と話している(千葉卓陽)