10月に解禁された道南太平洋(渡島、胆振、日高管内)での、今季のスケトウダラ刺し網漁が大不振だ10月の渡島はしけ多発で操業回数が減ったことに加え、群れが薄く漁獲も伸びなかった11月も10日現在、水揚げは好転していない渡島は来遊が見込める年内が勝負だけに、今後の巻き返しを願う声は強い
渡島総合振興局によると、渡島の10月の漁獲量(速報値)は前年比48%減の1583トン操業回数は前年(23回)の7割となる16回にとどまった水産課は「台風・低気圧の影響でしけが多く操業回数が少なかったまた、操業1回当たりの漁獲も伸びなかった」と説明する
漁協別水揚げ量は砂原84トン、鹿部536トン、南かやべ714トン、えさん249トンと総じて少なかった11月以降も渡島の漁獲量は386トン(10日現在)と伸び悩んでいる
一方、渡島の10月の平均単価は1キロ116・3円(速報値)と数量減単価高で推移11月1~10日も145・3円と3桁を維持しており、同10日には181・4円の高値を付けた
10月の渡島、胆振(1452トン)を合わせた道南の漁獲合計は3035トン渡島、胆振の10月採捕量上限8000トンに対し、消化率は37・9%スケトウの資源量自体に問題はなく、同課は「漁業者によると、近くまでは群れが来ているようだが、深い場所に魚がいるので、網が刺せない状況今後の好転を願うばかり」としている
不振の原因について、道総研函館水試の武藤卓志主査は「水深約200メートルの水温が平年より1~2度高く、魚が深みにいるためではないか」と話している(山崎大和)