函館国際水産・海洋都市推進機構(石尾清広代表理事)のコーディネーターに中尾博己さん(63)=函館在住=が7日、着任した漁業のさまざまな課題に対応するため、現場と研究者との間をつなぐ〝通訳〟の役割を担う水産業のプロとして豊富な知識と経験を持つ中尾さんは「浜の応援団に徹したい」と張り切っている
中尾さんは1951年、山口県宇部市出身北大水産学部を卒業後、77年に道職員となり、函館水試水産業専門技術員、渡島西部地区水産技術普及指導所長、渡島中部地区水産技術普及指導所長など「水産畑」一筋に歩んできた前職は常呂漁協(北見市)で新しい資源としてナマコの種苗生産・放流技術定着化を先導現場に精通したコーディネーターの採用計画を新聞記事で知り、「ナマコの技術が安定してきたので、自分に課せられた課題に一区切り付いた」と判断、応募に踏み切った
道南勤務の経験から、業界に幅広い人脈を持つのが強み「普及指導員時代と同じで、浜の課題を発掘し、解決に向けた道筋を示すことが大切うまく現場と研究者の橋渡しができれば」と意気込む函館を中心に現場を駆け巡る日々が始まる
浜の将来を担う人材育成も重要なテーマだ「魅力ある漁業の確立を目指して後継者対策にも力を入れたい」と話す
同機構は、漁業者のニーズがなかなか吸い上げられていない現状を改善するため、常勤職員として〝浜回り〟コーディネーター1人を採用、課題解決に向けた態勢を強化する狙い函館市の委託事業で、本年度の補正予算に270万円を盛り込んだ9月~来年3月分の人件費に充て、その後も3年程度は継続雇用を見込んでいる(山崎大和)