函館大谷高校2年の工藤蓮さん(17)が、「第12回大仏書道展」(NPO法人奈良二十一世紀フォーラムなど主催)に初出展し、初入選した。工藤さんは「入選はうれしいし、信じられない」と喜んでいる。
同展は、奈良の「文化力」強化をテーマに活動する同法人(植野康夫理事長)が全国の高校生、大学生ら若い世代の書を東大寺の大仏に捧げようと開いている。作品のテーマは「大仏様に日本の未来を祈願する」「大仏様にあなたの未来を祈願する」など。
同校からは今年初めての出展。計32人がテーマを選び、昨年9月末までの締め切りまでに練習を重ねて作品を提出した。全国からは約1200点が寄せられ、100点が入選。同校からは工藤さんのみで、同10月23、24日に東大寺大仏殿西回廊に入選作が展示された。
工藤さんは1年生時から選択授業のみで書道に取り組む。「文字が持つ意味を文字を書くことで学べるので良い」と話す。自身初の公募展に向け、テーマ「仏典から得た文言を捧げる」から、「人生とはその日その日の法縁である」をしたためた。「書くのは難しいと思ったが言葉の響きを気に入った」と話す。「普段はしない横書きなので、文字の間隔やリズムを与えるのが大変だった」と振り返る。
指導する書家、上山天遂さん(77)は「うまく書こうとせず正面から書に向かい、自分の思いをしっかり表現できている。筆の使い方も計算でき後半のかすりがうまく出ている」と評価する。
工藤さんは「書に対してますます頑張ろうという気持ちになった。また公募展に挑んでみたい」と意欲をみせている。(山崎純一)