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上ノ国町の洲崎館跡から道内2例目の懸仏が出土

 【上ノ国】史跡上之国館跡のうち今年度、発掘作業が進められている洲崎館跡で、毘沙門天(びしゃもんてん)像の懸仏(かけぼとけ)が出土した。町教委によると、町勝山の花沢館跡から昨年5月に発見された如意輪観音像に続き道内2例目で、毘沙門天像は初となる。(入江智一)
 7日からの第12回史跡上之国館跡整備検討委(臼杵勲委員長)に集まった委員ら約10人が8日、洲崎館跡発掘現場を視察し、毘沙門天像の懸仏であることを確認した。委員の久保智康叡山学院教授は、青銅板を打ち出した鍛造品であることを解説。「毘沙門天は左手が上に挙がるところ、これは下がっている。お不動さんのように一瞬思ったが、鎧(よろい)を着ているから、やっぱり毘沙門ですね」と述べた。
 大きさは、高さ8・2センチ、幅4センチ、厚み1センチ。全体的に摩耗が激しく、鏡板に留めていたものが外れ、像のみが出土したものとみられている。甲冑(かっちゅう)を表すような刻み模様が施され、左手部分には何かが取り付けられていた跡と思われる小さな穴が空いた状態で6月10日に見つかった。
 発見した発掘作業員、鈴木千春さん(58)=町向浜=が、小型のスコップを片手に土を削り取るよう作業していたところ、像がスコップの中にすっぽり裏側を向いて入ってきた様子などを説明。「花沢館で昨年、懸仏が見つかっていたので、まさかと思い裏返し、砂を払いのけると懸仏のようだったのでびっくりした。スコップで削らなくて良かった」と振り返る。
 発掘は引き続き実施予定で、見学自由。作業場所は、町北村の砂館神社周辺で「洲崎館跡」のぼりが目印。金土日祝日と悪天候時は休み。問い合わせは、町教委文化財グループ(0139・55・2230)へ。










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