函館出身の大道芸人ギリヤーク尼ケ崎さん(88)による青空舞踊公演「祈りの踊り」が、24日午後1時から函館市松風町のはこだてグリーンプラザで開かれる。1年ぶりの函館公演で、大門では5年ぶり。津軽三味線奏者の二代目高橋竹山さんと初共演し、生演奏に乗せて「じょんがら一代」などを披露する。
ギリヤークさんは、昨年8月19日、米寿の誕生日に函館で街頭公演50周年の踊りを披露。俳優、近藤正臣さんとの約束で生まれた新作「果たし合い」を未完のまま初披露するなど、魂を込めた祈りの舞いで観客を引きつけた。
近年はパーキンソン病や脊柱管狭窄症を患うなど、必ずしも万全ではないが、ギリヤークさんの黒子を務める紀あささんは「昨年よりは安定している。病気は抱えていても本人は頑張ると前向きです」と話す。目の肥えたファンの多い古里での公演に向けて「函館は外せない」と意気込んでいるという。
ギリヤークさんが1975年ごろから踊り始めた代表作「じょんがら一代」の冒頭の音楽は、津軽三味線の名人と言われた初代高橋竹山(1910~98年)による演奏音源を使用してきた。紀さんによると、5月にあった横浜市内での公演に二代目高橋竹山さんが来場。ギリヤークさんに「もし良かったら私の三味線と唄で踊って下さいませんか」と声を掛けると、ギリヤークさんは「初代とはね…」と思い出を語り出したという。
青空公演に先立ち、22日午後7時からは、二代目高橋竹山演奏会を函館あうん堂ホール(松風町)で開催。トークゲストとしてギリヤークさんが出演する。ギリヤークさんの半世紀を超える芸歴でも生演奏に合わせた踊りは今回が初めてだといい、89歳になって新たな挑戦を函館で迎える。
演奏会のチケットは前売り3000円(当日3500円)、高校生以下1500円、全席自由で、電話予約は実行委の藤吉大志さん(090・1389・0118)へ。24日の青空舞踊公演は雨天決行、入場無料、投げ銭歓迎。問い合わせは紀さん(080・3318・5466)へ。(今井正一)