障害者に対する「支援技術」(アシスティブ・テクノロジー、AT)の研究開発と技術者育成を目指す「JapanATフォーラム2017」が16日、函館高専で始まった。全国の学生が当事者と共に、福祉機器の開発に向けたアイデアを出し合うワークショップなどが行われた。
今年で4回目。函館では初開催で国立高専機構、長岡(新潟)と豊橋(愛知)の両技術科学大の3機関と函館高専が主催し「『あったらいいな』をユーザーとともに作る」をテーマにした。
ワークショップには道内のほか、長野や沖縄など全国11の高専生ら35人が参加。7グループに分かれ、視覚や知的、身体障害がある人から日常生活で不便なことなどを聞き取った。
学生からは、視覚障害者が音声で重さを知る電子ばかりや、自動販売機での購入が難しい車いす利用者向けにスマートフォンで商品データを受け取り、画面上で商品を選択できるアプリケーションなどの意見が上がっていた。段ボールなどでプロトタイプ(原型)を作り、17日に発表する。
函館視覚障害者福祉協議会の島信一朗理事長は「学生が当事者と一緒に開発してくれるのはうれしい。少数ユーザーが使いやすければ、みんなが使いやすいデザインになるはず。開発者がその気持ちを持ってものづくりをしてくれれば、世の中が変わる」と話していた。
ワークショップに先立ち、各高専の研究発表や公立はこだて未来大の岡本誠教授の講演が行われた。(稲船優香)