常に進化を続ける開湯約800年の天然温泉
効能の違う2つの湯にどっぷり浸かる
北海道最古の天然温泉と言われる「知内温泉」の開湯は1247年。古文書「大野土佐日記」によると、源頼家の家臣・荒木大学が金山見立ての命を受け来道、砂金掘の掘子が天然湧出する温泉を発見したと伝えられている。
江戸時代には松前藩主の奥方も湯治に訪れた名湯で、現在は日帰り入浴も楽しめる温泉旅館として親しまれている。自然噴出する5本の源泉はいずれも豊富な湯量を誇り、その中から3本を入浴用に活用。パイプを通して2カ所の内湯と露天風呂に直接注ぐ。通称「上の湯」は、明ばん泉と炭酸塩類泉で、肌になじむとろりとした湯触り。アトピーをはじめとする皮膚の疾患や切り傷、やけどなどに効能を持つ。さらりとした手触りの「下の湯」と「露天風呂」は、うちみや肩こり、腰痛などに効能がある鉄鉱泉で、体が芯から温まる。第18代湯守の佐藤昌人専務は「体調やその日の気分で使い分ける常連さんも多い」と言い、異なる泉質の持ち味をそれぞれ満喫できるのも魅力の一つ。一昨年には温泉の良さをさらに知ってもらおうと、温泉宿近くを流れる「湯の川」のほとりにテントサウナを設置した。また、自宅でも温泉気分が楽しめるように、温泉成分をもとに作った入浴剤の販売も開始し、土産用としても人気を集めている。
(ハコラク 2023年2月号掲載)
知内温泉 ユートピア和楽園
知内町湯ノ里284
☎01392‐6‐2341
無休 P有り
キャッシュレス決済利用可
日帰り入浴/7:00~20:30
大人800円
子供(3~12歳)500円
幼児(3歳未満)300円