臥牛山5月1日・衆院の定数改正
衆院の定数削減と一票の格差是正が、5月中旬に成立する見通しとなった。あくまで「当面の」という条件がつくが、4月28日の本会議で、議長が諮問した調査会の答申に沿った改正案を可決したことで▼政治と金の問題や議員個人の不祥事などで、議員定数をめぐる国民の目は厳しい。一票の格差も裁判所がほとんど「違憲状態」の判断を示しているのに、国会に自浄努力は乏しいまま。ということで議長が第三者(学識経験者)に委ねた▼その答申に対しても当初、自民が難色を示していたが、最後は世論に折れた恰好での決着に。ただ、都道府県(小選挙区)の定数配分にアダムス方式の採用を是としたものの、本格実施は2020年の大規模国勢調査から▼それまでの対応として小選挙区を「0増6減」、比例を「0増4減」する、というのが骨子。これによって前回2・334倍の一票の格差(小選挙区)は2倍未満に収まるという。まずは一歩前進ということだが、これで終わりではない▼というのも、選挙制度に関してはまだまだ課題が多いから。定数問題も今回の10減でお茶を濁すのか、議論のある小選挙区比例代表並立制という今の制度を続けるのか…。国会はなお問われ続ける。(A)